ラズパイ+VolumioでBluetooth対応MP3音楽プレイヤーを自作してみた【中編】ドライバ導入

中編のポイントは「Volumioの最新バージョンでブルートゥースをムリヤリ使うまでの手順」
前回に引き続き、店主平山が趣味で作った音楽プレイヤーの制作過程のまとめです。この記事は【前編】【中編】【後編】のうちの【中編】にあたります。主な内容は以下の通りです。
- Volumio (Ver3.819)の初期設定の流れ
- Volumio3.819で動作する Buluetoothドライバ(エレホビカ氏提供)導入手順
- その他の設定
MP3プレイヤー完成までの手順・中編
3,Volumio (Ver3.819) の初期設定
Volumioを書き込んだMicroSDカードをラズパイ本体に挿入して起動
- 前編で組み立てたラズパイ+液晶の機体にカードを差し込んでから、本体を起動します。
- マウス、キーボードは無くても設定可能です
- 有線LANケーブルは差し込んでおきます。(最終的にWi-Fiに繋ぐ場合でも最初は有線で接続)
同ネットワークの別PCのブラウザで設定画面にアクセス
- ブラウザのアドレス欄に「http://volumio.local」と入力すれば、設定・操作画面(ブラウザUI)にアクセス可能。
- 最新Verでは「https:」でもなければ、「http://volumio」でもない点に注意。
- IPアドレス指定でもアクセス可能。(Volumio OS機器が複数台存在する場合は区別しやすい)
ウィザードに沿って必要最低限の設定を行う
- 画面の指示に従って、無料アカウントの登録や、Wi-Fi接続設定などの設定を行う
- 今回は、有料プランに入る必要は無し
- 自分の場合は、「プラグイン管理」→「User Interface」→「(リスト一番下)Touch Display」のみ追加しました。(本体液晶にGUI画面が投影されるように。動作確認のため)
- なお、ブルートゥース接続のスピーカー等を使う予定のない方は、この先の工程は不要です
4,Bluetooth接続ドライバ(非公式プラグイン)の導入
公式が提供していないプラグインを導入する大まかな流れ
- 作業の多くは、エレホビカ氏のウェブサイトに記載された通りの手順をなぞることになります。
- が、使用するデータ等は Volumio Ver3.165 当時のものであるため、いくつか注意点や、作業上の変更点があります。
- ほか、いくつかの点を補足しつつ、以下に流れを記載します
- (0) まずエレホビカ氏サイトの内容を大まかに把握しておく
- ・ぶっつけで進めない。これから行う作業の意味や目的を把握しておく。
・要点としては、Volumio側で提供していない、非公式のBluetoothプラグインを導入する手順であること。
・VolumioのOSの「ブラウザUIの部分」だけを書き換えて、自前で用意したプラグインを手動でインストール出来るようにするウラワザ。
・元々オープンソースであり違法性はないが、当然、公式サポートの対象でもない。自己責任。失敗したらSDカードのOS書き込み(初期化)からやり直し
- (1) Volumioの内部を改造する「準備段階」や前知識の補足
- ・Volumioの「裏口」とも言える「SSH接続」ができるようにする(ENABLEにする)ための設定ボタンは「http://volumio.local/dev」より
・作業用PCにも「Git Bash」などのCUIコマンドを使えるSSHクライアントアプリをインストールします。
・「www.zip」の中身が「Clasic」、www3.zipが「Conptemporary」、www4.zipの内容が「Manifest」の各スキン(Volumio内では「ユーザーインタフェースのレイアウトデザイン」と呼称)に対応しているようです。
・Volumioに送りたい 「www.zip」などのデータは「C:\Users\<ユーザー名>」のフォルダのトップに置いておきます。
・エレホビカ氏が記事を記載した2021年当時はVer3.165からのセットアップで問題ありませんでしたが、2025年現在、3.165のイメージデータでVolumioをセットアップしようとすると、システム更新やプラグイン導入の段階で詰んでしまうようです。現在の最新版 Ver3.819からセットアップして、エレホビカ氏の用意されたブラウザUIデータと、Volumio3用のブルートゥースドライバだけ一時的に拝借する形で進めます。
- (2) UI群の書き換えと、Bluetooth機器のペアリング作業
- ・丸投げで申し訳ないが、SSH接続で行う作業、書き込むデータについては、こちらで記載・用意された(https://elehobica.blogspot.com/2021/12/volumio3-bluetooth.html)手順に沿って進めていきます。
・各コマンドの意味が分からなければ、AIチャットなどで検索して学んでおく。失敗が減り、自力でのリカバリーも出来るようになる…かも。
・ラズパイ(Volumio)側に、ブラウザUIの改変データを送って、置き換えることになります。
・正規のユーザーインタフェースのデータは、消さずに「www_bak」「www3_bak」「www4_bak」として残すように指示されています。これが後で重要になります。
・Bluetooth機器と接続が確認できたら、次の作業に移ります。(エレホビカ氏サイトには記載のない作業)
- (3) もとのUI(Ver.3.819)に戻す作業
- ・残念ながら、Ver.3.165用に作られたUIデータのままでは、バグだらけで使用に耐えません。
・一部スキンだけ書き換えるとか、色々試してみましたが、まとめて元に戻すのが安定のようです。
・以下にSSHクライアントで入力すべきコマンドを、意味を含めて記載します。
ssh volumio@volumio
↑「volumio」と名付けられた端末に「volumio」というユーザ名でSSH接続します
volumio@volumio's password:
↑このユーザのパスワードを入力(安全のためパスワードは表示されない)
cd /volumio/http
↑「volumio」と言うフォルダの中の、さらに「http」というフォルダに移動します
mv www www_bak2
mv www3 www3_bak2
mv www4 www4_bak2
↑現在使っているUI(Ver3.165当時のもの)データフォルダ「www」を「www_bak2」と言うフォルダ名に替えて、とりあえず使わないようにします。
※www3とwww4のフォルダについても、同じように繰り返しています
mv www_bak www
mv www3_bak www3
mv www4_bak www4
↑正しいUIデータ(Ver.8.169のもの)をしまっておいた「www_bak」のフォルダを、「www」の名前に戻しなさい
※www3とwww4のフォルダについても、同じように繰り返しています
これで、もとのUIデータに戻りました。あとはVolumioを再起動して、数分待って下さい。作業完了です。
この方法での注意点・難点
- この方法で実用に耐えるシステムにはなりますが、不完全な点もあります。
- それは、元に戻した最新UI画面では、別のBluetoothスピーカーの登録、ペアリングが出来ない、と言う点です。(プラグイン管理画面では、Bluetoothの有効/無効のボタンだけが表示されて、電波を検出するボタンも、一覧も、「connect(接続)」するボタンも表示されません
- よって、別のBluetoothスピーカーなどに繋ぎなおしたい場合は、上記のコマンドによるUI書き換え手順を逆にたどって、「古いUI(ペアリング作業は可能だが通常使用は不能)」に切り替えてペアリングをやりなおし、それが終わったらまた「新しいUI」に戻す、という面倒な作業が発生します
- これらの問題を解決する新たな改造UIをどこかで見つけるか、自分で改造できれば解決すると思いますが、どちらも自分は出来ていません。とりあえず自分が使いたかったスピーカーに繋げられるようになったので現時点はこれで良しとします。

中編はここまで
最後の後編は、最終的な目的である、NAS上に楽曲データとアルバムジャケット画像を保存し、再生する所までです。

