ラズパイ+VolumioでBluetooth対応MP3音楽プレイヤーを自作してみた【後編】文字化け対策等

後編のポイントは「楽曲データや再生環境の最適化」
この記事は【前編】【中編】【後編】のうちの【後編】にあたります。主な内容は以下の通りです
- 3.5インチでの液晶表示やスマホ設定の最適化
- 【文字化け対策】楽曲データ(データ形式、アーティスト名やアルバム名などメタデータ/タグ)の最適化
- アルバムアートワーク(CDジャケット画像)の最適化
- NASにデータを置いて、さあ再生だ!
MP3プレイヤー完成までの手順・後編
5,Volumio本体の表示設定を最適化します
Auto Startプラグインを導入
- プラグインの追加画面から、「Auto Start」を導入
- 「Play from Last Position(前回の続きから)」のスイッチをON
液晶表示プラグインの調整
- インストール済みの「Touch Display」プラグイン設定で、スクリーンセーバーの待機時間をゼロ(動作しない)に変更
- スケール(表示倍率)設定を150(%)に。曲名などの視認性アップ。


インタフェースを一番人気の「Manifest」に
- 「システム設定」最下段でスキン設定を「Manifest」に変更
- アルバムアートワークの表示が大きく、機能も表示もシンプルで、かつ必要充分。
- Volumio旧verでは有料プラン限定スキンだったらしいが、ユーザの要望で無料アカウントでも使用可になった…らしい。ぜひ使わせてもらおう
6,スマホ「Volumio」アプリの導入
公式アプリで操作や設定変更可能
- アプリストアで「Volumio」で検索
- インストール後、同一ネットワーク内にVolumioがあれば自動で検出
- PCのブラウザUIとほぼ同じ事が出来る(再生の制御や切替や設定など)

7,楽曲データの最適化をします
データ形式はMP3が推奨
- Volumioは様々なデータ形式に対応はしていますが、最も汎用的なMP3がやはり安定します
- 自分の環境では、データソースも再生スピーカーも無線で飛ばしてるので、データが重すぎると遅延や音飛びの可能性が高まる
- それに、WAVファイルでは、後述の文字化け対策が上手く行かないなどの問題も
- 全データ形式や多くの環境で動作試験したわけでは無いので、皆さんの環境(無線/有線の違いや、使用機材など)に合わせてお試し下さい
「曲名」「アーティスト」「アルバム名」などの付加情報(メタデータ,タグ)の文字化け
- 楽曲データには、追加情報(メタデータ)が埋め込まれている
- その記述方法にも、文字コードの指定など様々なパターンがある。
- イタリア製の Volumio は、日本語の文字コードに一部対応しきれていない
- そのまま再生すると、曲によって表示が文字化けする

Volumio 文字化け解決方法
- 結論を言えば、「Mp3tag」など一括でタグ情報を変更できるフリーソフトで「Volumio向き」にMP3データを修正する
- 「ファイル」→「オプション」→「タグ」→「Mpeg」の設定ページで、「書込」を「ID3v2」の「UTF-16」に指定
- 書き換えたいフォルダを空白部分にドラッグ
- 「編集」→「すべてのファイルを選択」
- 「ファイル」→「フィールド全てを保存」でメタデータの一括書き換え。※大量の場合は時間が掛かります
- この処置をしたMP3データはVolumio上で文字化けしません


8,アルバムアートワークの画像を用意
- 楽曲フォルダに、サイズ縦横比1:1のJpeg画像を入れておけばアートワークとして表示される
- ファイル名は任意で良い。ファイル名「folder.jpg」だとVolumio デフォルトのアートワークが優先表示されました。Volumio現バージョン(3.189)では「それ以外の任意ファイル名」の方が良いようです。
- 画像サイズはお好みで。液晶が小さいので自分は500*500にしました。
- アートワークを外部のAPIから自動取得させるなどのテクニックは、今回は割愛。
- 中編で経験した通り、現バージョンでは非公式プラグインのインストールが非常に面倒…

9,NASにデータを置いて、ライブラリとして登録、再生!
- 自宅で使用しているNASに、新たに「Music」という共有フォルダを作成
- 7~8で用意した楽曲データフォルダを「Music」フォルダへコピー
- 「ライブラリ設定」→「NAS」→新しいNASの追加
- 「表示名」は任意、「IPアドレス」にはNASのローカルIPアドレス、「パス」にフォルダ名Muiscを記入し保存
- すぐ上の「マイミュージック」の「更新」「スキャン」を押してデータベースに読み込ませる(曲数によって時間が掛かります)
- データベースへの登録が終わったころに、メニューの「ミュージック」→「ライブラリ」と開いていくとアルバムが表示される
- NASではなく、単純にUSBメモリなどに曲データを入れてラズパイ本体に繋いでもOK


さいごに
Volumioには、他にも標準的な市販の音楽プレイヤーが備えている「プレイリスト」機能や「お気に入り」などの機能も備えており非常に分かりやすいUIで使いやすくなっていますし、ハードウェア面でも様々な外部機器と連動したり、ソフトウェア面でも公式プラグインでSpotify、Youtube、Podcast、等々と連動可能であったり、使い道は色々と考えられると思います。ぜひ活用なさってください。
なお、今回の一連の記事の内容について、当店では成功/失敗の責任は負えません。チャレンジされる方は自己責任でお願いします。
ただし宮城県周辺の日帰り可能地域で、有償で良ければお手伝いに参ります。


