パソコンサポート業者が、お客様にご信頼頂くためにすべきこと【4箇条】

こんにちは、店長の平山です。

パソコンサポート・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者

「パソコンサポート」というお仕事について、何より重要なものは、お客様との信頼関係です。
今回は、当店での考え方、実際に行っている工夫について、お話をしたいと思います。

信頼関係が無いと、パソコンの問題だって解決できない!

修理業者なんだから、黙々とパソコンを直す知識と技術さえあればいいじゃないか、という考え方は大間違いです。お客様とサポート業者の間に不信感があると、本来ならカンタンに解決できる事柄も、まったく解決できなくなってしまいます。

・・・例えば先日、以下のようなことがありました。

とある方から「パソコンの動作がとても遅いので、中身のデータを、外部に移して欲しい」というご要望がありました。しかし実際に私が問題のパソコンを拝見すると、たしかに動作は遅いのですが、その原因はデータの量ではなく、別のところにありました。しかし、お客様は私の意見を信じてくれません。とにかくデータさえ減らせば早くなるはずであり、私の提案するやり方では、余計な時間と手間が掛かるだけで、ようするに料金を余計に取ろうとしている、とお考えのようでした。

結局、お客様には私の意見を容れて頂けず、ご指示どおりのデータ移動を行いました。が、結果として、問題は解決しませんでした。一旦お代は頂いたものの「問題が解決しなければ料金はお返しします」が当店のポリシーですので、結局ご返金させて頂きました。なお、作業後に改めて正しい解決方法をご提案しましたが、それもお断りされてしまいました。

お客様にご信頼頂けなかったことは、プロとして私の不徳によるものです。実際に作業を行うことで、お客様に私のことを信じて頂く根拠にしようと考えたのですが、この案件については、その方法はかえって逆効果となってしまいました。お客様の問題も解決せず、私はタダ働きとなってしまい、誰も得をしませんでした。

パソコンの事について、信じて頂くことは思いの外むずかしい

ことほど左様に「信じて頂くこと」は難しいものです。特にパソコンの世界では。

パソコンは、普通の一般人の方にとっては、それ自体が訳の分からないブラックボックスです。また、インターネットの世界には、コンピュータウィルス、フィッシング詐欺、アダルトサイト、不正広告、違法コンテンツなど、いかがわしい物が溢れており、それに関わる人間もまた、お客様より「不正をするのではないか」「依頼主に分からないと思って、料金をふっかけるのではないか」という疑いを、持たれがちです。そして悲しいことですが、実際そのような不正を行う個人業者も、少なからずいるのです。

そんな業界の現状の中で、お客様とのご信頼関係を築く為、パソコンサポートでは種々の工夫を行っています。

ポイント(1)まずは身だしなみや表面的な部分から

社会人であれば当然のことですが、第一印象を損ねないよう、パソコンサポート業者とひと目で分かり、かつ清潔感のある服装を心掛けています。また、最低限のビジネスマナー、お客様のお宅での自然な立ち居振る舞い(挙動不審でないこと・必要以上に詮索しない等)、明るい笑顔としゃべり方、身分を表すスタッフカードの提示、等々、つまり”基本”を徹底しています。

チラシや名刺についても、それが当店の「顔」になりますので、安い紙に一色刷りではなく、高品質紙にカラー印刷するようにしています。これは、パソコン指導やWebや印刷物のデザインも行う業者として、十分な技術があることを示す必要があると考えているからです。同様に、当店のWebサイトも、デザインや機能、見やすさについて適宜検討と改良を加えています。

こういった”基本”の積み重ねが最も重要であり、かつ、業者によって差が大きく出る点でもあると考えます。

ポイント(2)相手目線でのコミュニケーション

パソコンに詳しい人に現れがちな特徴として、横文字や専門用語を多用する、という例があります。それ自体は悪いことではありません。もちろん我々も、IT用語を正しく把握し、ご説明できるよう努力と勉強が必要です。

しかし、パソコン指導や訪問修理の現場では、「お話する相手に分かりやすく伝わるかどうか」をきちんと考えて、言葉を選ぶことが、プロとして重要な技術です。「分からない方が悪い」「難しい用語を使った方が威厳がある」と考えているようでは、プロ失格です。「初心者にも分かり易いように、かんたんな言葉で説明する」事のほうが遙かに難しく、また価値のあることです。

他にも、トラブルで不安に思っているお客様にはまず「大丈夫ですよ」と、笑顔でお声掛けしたり、出来るだけ早い段階で見通しをお伝えしたり、ただその場で問題を解決するだけでなく、再発防止のための方法をメモとして残すなど、「どうすればお客様が安心できるか」という視点での工夫を、多々行っています。

ポイント(3)自分を知って頂くための努力

「知らない人について行ってはいけません」これは子供だけでなく、大人にとっても重要な判断基準です。知らない事は危険なことであり、逆に、情報収集こそが最も有益なリスク対策でもあります。

そうしたお客様の視点に立って考え、私個人の情報、例えばイラストや写真などで容姿をお見せしたり、様々な事に対する考え方、持っている知識、技術などは、出し惜しみせずに掲載・共有するようにしています。Webサイトやチラシ、このブログ、さらにはFacebookやTwitter、あらゆる媒体で、情報発信しています。実際に会ったことが無くとも、私がどんな人間か分かるように、という考えからです。

また、自分は元々おしゃべりではないのですが、お客様とお話する際には、できるだけ自分のことやパソコンのことをお話して、自分がどういった人間で、どういった雰囲気を持ち、どういった技術を持っているのか、多くの事が伝わるように努力しています。作業中、黙って作業をするのではなく、時には雑談をしながら作業します。

ポイント(4)とにかく何でもバカ正直に。損して信用を取る。

たとえ一時の損となろうとも、お客様の信頼関係を築くことの方が重要だと考えています。商売は儲けよりも信用が第一とよく言われますが、まさにその通りだと思います。

例えば、パソコンの修理などをご依頼された場合、同型機の中古品が市場にあるようなら、そちらのお店をお勧めしちゃいます。黙って言われた通りに修理すれば、自分の儲けになりますが、「自分だったらこうします」というアイデアがあれば、隠さずにお話します。

他にも、約束のお時間に遅れそうな場合はたとえ5分でもお電話して到着予想時刻をお伝えしますし(もちろん遅刻しない事が第一義ですが、北海道では天候の変化等でどうしても交通に大幅な乱れが出る場合があります…)、法律違反になることは、いくらお客様のご要望であっても、お断りします。これらは当たり前の事ではありますが、愚直に徹底することが、いずれ社会的・人間的な信用に繋がると考えています。

さいごに

ここまで偉そうに解説を行いましたが、最初に挙げた例では、私はまったく信頼されませんでした。お恥ずかしい限りです。

後から聞いた所、お客様が私の似顔絵イラストを見て「怪しい人間」だというイメージをもっていたり、パソコンサポートとは別の業者が、実機を見ずに電話だけで「データを減らして下さい」とご助言していたことなどが、不信感の原因であったようです。とはいえ、実際にお客様に会ってお話しておきながら、そこから悪印象を逆転できなかった事は、それはまだまだ私の修行不足ということです。

今回の記事は、今後の決意表明と、”するべきことのまとめ”として書かせて頂きました。キャリア16年目、改めてお客様の信頼と安心に向けて、努力を重ねて参りたいと思います。