【データ消去に関する大きな勘違い】パソコンの譲渡や再利用の際は「データ完全消去」をお勧めします。

こんばんは。

個人情報保護や、情報セキュリティにもそれなりに造詣の深い男、平山です。

パソコンサポート・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者

今回は、パソコンの内部データ消去についてお話します。

パソコン内部には貴重な情報がいっぱい!

学校や病院、企業様などでは、データの管理や情報セキュリティにもかなりの注意を払われている事と思います。それに比べて個人の方は、ご自身の持つデータを過小評価して、そこまで厳重には対処しない方も多く見受けられます。実際、パソコンサポートの仕事をしていると「どうせウチのには大したデータは入っていないから」と仰る方に、本当に良く出会います。ですが、本当にそうでしょうか。

パソコンからは、持ち主の名前、メールアドレスなどが簡単に分かります。もしも貴方の知り合いや本人を名乗って、メールのアドレス帳や、年賀状の住所録の知り合いに、詐欺のメールや手紙を送ったとしたら、どうなるでしょうか。たとえそれで騙されなかったとしても、貴方とお知り合いの方の間で、トラブルになるのではないでしょうか。

振り込め詐欺・オレオレ詐欺
振り込め詐欺・オレオレ詐欺って本当に無くならないですよね。それって、やり方が巧妙になっている、ということでもあります。敵も個人情報を"うまく悪用"しているのかもしれません。

また、年々、オレオレ詐欺、振り込め詐欺の手口は高度化しています。貴方のパソコンの中から、旅行の写真を見つけて「そういえば○○さんと、去年○○に旅行に行ったよね」と親戚のフリをしたり、実際に利用したことのある業者のメールを元に「先月の代金についてですが・・・」なーんて電話口で連絡してきたら、コロッと信じてしまうかもしれません。完全な嘘八百でなく「本当のこと」を混ぜて話をしてくるわけですから、騙される危険はかなり高くなります。

もしも裏業界の名簿に、そういった深い個人情報付きで載ってしまったら・・・?それでなくとも、クレジットカードの情報や、ショッピングサイトのパスワードがパソコンに記憶されたままだったら・・・?パソコン内部のデータをそのままにしておくことは、本当に危険なんです。

パソコンを知り合いに譲ったり、リサイクルの際には十分な注意を。

パソコンを新しく買ったので、家族にお下がりする、親戚にゆずる、知り合いにゆずる、リサイクルショップで処分する、ヤフーオークションで売る、などなど、さまざまなケースが考えられますが、いくら「信頼できる!」と思った相手であっても、やはり自分でデータを消去してから譲渡する・売ることをオススメします。親しい相手ならなおさら、そんな相手に、自分のデータ管理の責任まで負わせることになる、という考え方もできます。

ふつうの一般人の方が、パソコンのデータを消すとなれば、ごみ箱から「完全に削除」する・Deleteで消す・フォーマットで消す・説明書に沿ってリカバリーする・工場出荷時に戻す・などの処置が考えられると思います。でも実はこれらの方法では、データは完全には消えていません。(※)それらの「消去」とは、じつは”上から白い布を被せて見えなくする”という程度の事でしかなく、専門のデータ復元ソフトなどを使えば、全体の何割かのデータは復元が出来てしまうのです。(※パソコンの機種などによっては、初期化のシステムの手順に完全消去も含まれている場合はあります)

ゴミ箱を空にしても安心ではない
実は、「ゴミ箱を空にする」だけでは、安心できません。まだ復活可能なんです。

パソコンに慣れてきた方の中には、「フォーマットさえすれば完全に消えるよ!」とか、「ごみ箱を空にすれば完全に消えるよ!」と勘違いをして、他の人に広めてしまうケースがあるようです。しかしそれは間違いです。正しい知識ではありません。

本当の本当にデータを完全に「消す」為には、データの記録されている一つ一つの箇所(クラスタ)を、別の情報で、書き直す・書き換えるという作業が必要になります(例えばただの"ゼロ"などの意味のない情報で上書きをする)。ちなみに、ワープロ書類を作成中などに「上書き保存」してしまった場合、元の書類に戻すことは出来ません。「上書き」は、ある意味では取り返しのつかない行為なのです。

確実な安心の為には、「完全消去プログラム」や、専用の機材を使おう。

というわけで、データを完全に上書き消去するためには、そういった機能を持つプログラムを適用するか、消去専用の機械を使うことになります。どちらもやることは同じで、ハードディスクなどの記憶装置の中身をすべてゼロやランダム(でたらめな)の数字に、書き換えるわけです。そして書き換え回数が増えるほど、安心度が高くなります。(回数が増えるほど、データを復元できる可能性と復元できるデータ量の割合が減っていく)

データ消去装置
当社では効率と確実性を重視して、データ消去装置を使うケースが多いです。お客様が目の前で完全消去をご希望される場合は、プログラムCD-ROMなどを持参して作業する場合もあります。

リサイクルの必要が無ければ物理破壊がオススメ。

パソコンを再利用する予定がない場合は、記憶装置を物理的に壊してしまいましょう。業務用では強い磁力を照射して壊してしまう機械もありますが、ご家庭にあるような日曜大工用品で壊してしまうのが最も簡単です。

ハードディスクの物理破壊。
ハードディスクを物理破壊!ハンマーでもドリルでもお好みで。ただし破片が飛び散る危険等を伴うので、目や素肌の安全確保にはご留意ください。

当店では、完全消去の証明書も発行しています。(有償対応)

完全消去プログラムを入手して使うにも、パソコンを分解して記憶装置を取り出すにも、ややハードルの高い作業かもしれません。そんな方の為に、お預かりしたパソコンのデータ完全消去と、証明書の発行も承っております。

データ完全消去証明書
ご依頼があれば、データの完全消去の証明書を発行しています。
※画像では店舗移転前の旧名称になっています