外出自粛・自宅待機で在宅ワークや在宅授業で使うタブレットやパソコンがIPアドレス不足でネット接続できない!という事例

こんにちは 店長の平山です。

今回は、新型コロナウィルスの影響で、ご家庭のIT機器のインターネット接続に問題が起きた!という変わった事例を紹介します。

古いルータには、接続台数制限がある場合も!

つい先日、当店に「最近になってから急に、在宅ワークや在宅授業で使うタブレットとパソコンがネット接続できなくなった!」というご相談がありました。ちょうどご家庭の皆さんが、休校などで自宅待機となり、インターネットに頼る生活になった途端のトラブルで、大変困ってしまったそうです。

そして、さっそく私がお伺いして問題の原因を調べた結果、2010年ごろの古い型のルータが「同ネットワーク内での最大同時使用可能台数は実質10台まで」という設定になっていたため、という顛末が判明しました(ローカルIPアドレスの配布数が少ない設定だった)

お客様の同居のご家族6人のスマートフォン、パソコン、さらに自宅学習用に配布されたタブレットなども含めると、その10台という許容数を超えてしまい、繋がらない端末が出てきてしまった、という訳です。これも広い意味では、新型コロナウィルスによる影響と言えるかもしれません。

画像はNTT東日本ウェブサイトより。「RT-200KI」などの古いルータを使い続けている場合、そのままでは現在の状況に対応できない場合があるようです。これはNTT様よりのレンタル品ですので、場合によっては新しい機種への交換なども検討・相談したいところですね。(交換した場合は改めて設定などが必要になります)

【解決方法】ルータの設定画面で、DHCP機能の設定変更

さて具体的に、この問題を解決する為には、NTT東日本よりのレンタルルータの設定画面を開き、DHCP機能の設定画面で、IPアドレスの配布数を増やす必要がありました。(メーカー、機種ごとに設定画面の開き方、項目、変更方法が異なります。良く分からない場合はプロにご相談ください。)

ルーターの設定画面を開き、DHCP機能の項目で、割り当て台数を増やします。台数を直接指定する場合の他、「割り当て終了IPアドレス」を指定する形式の場合もあります。機種やファームウェアのバージョンによっても設定方法は異なりますので、詳しくは説明書をご参照ください。

さて、10台に制限していたものを、仮に10台以上使っても問題ないの?何かトラブルの原因にならない?という疑問があるかもしれませんが、同時台数が増えること自体は、そう問題にはなりません。ただし同時に10台以上の端末で動画再生を行ったりすると、再生速度などに影響があると思います。

あまりにインターネットの接続スピードに影響が出る場合は、ご家族間でのルールを設ける(同時に何台もの端末で動画再生しないなど)とか、使用する時間帯をズラすなどの工夫が必要かもしれません。

一部のマンションインターネットサービスでは、厳密な台数制限が設けられている場合もある

特にデイリー、ウィークリーマンションなどでは、無料でインターネット回線を提供する代わりに、同時接続台数を1台または数台まで、と限定している仕組みの物件が、多々見受けられます。

そういったお部屋では、基本的に複数台での使用は出来ません。ただし、別途、自前でルーターを導入すれば複数台で使用できる場合もありますし(IPアドレスを1つしか割り当てないという方式)、ルーターを自前で導入してもダメな場合もあります(機器一台一台のMACアドレスを参照している方式)。お住いの物件で同時接続が出来るかどうか、詳しくはそれぞれの物件のインターネットサービス提供者にお問合せ下さい。

どうしても複数台で使えないと困る!という場合は、別途、NTTなどの有料回線をお部屋に引きこんだり(家主の許可が必要な場合あり)、それも無理なら、モバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能などの、携帯式のネット接続用の設備を用意しなければならない場合もあります。

時代が変われば環境も変わる!不具合の際、ご自身で解決が難しい場合は、プロにご相談ください。

トラブルの対処方法の多くはネットに掲載されており、それで解決できる場合も多々あります。ただし、それら解決記事の弱点は、あくまで「書かれた当時の知環境や知識」で書かれている、ということです。

今回のこのケースのように、10年前は問題なかった機器や設定でも、10年後の状況では問題になってしまった、というようなケースでは、そもそもどこが問題なのか、10年前の設定の仕方の記事を見ても、現在の最新ルータを前提とした設定の仕方の記事を見ても分からないんですね。
今回の記事は、その新旧両方の状況を知っているという「経験」が無いと、問題原因に辿り着けないという例でした。