【対応例】10年前の最低性能PC(NEC製)を低コストで再利用!
NEC 製15.6インチ液晶ノートパソコン「VK23ER-C」を初期化して再利用
さて今回は、知り合いが捨てるつもりだったノートパソコンを預かってきました。
Windows7搭載なので、サポート期限が切れた時点で「もう使えない」「捨てるしかない」とお考えだったようですが、機械として壊れたわけでは無いですし、使えるものなら使いたいということですので、あまり費用を掛けずに出来る範囲で手を加えて再生してみましょう。
ひっくり返して背面を確認してみると、2011年6月出荷と記載があります。10年も経つと普通ならもう寿命ではあるのですが、とりあえず全てのデータを消して、Windows10だけをクリーンインストールしてみましょう。余分な追加プログラム無しで、素のOSだけでなら、実用に耐えるギリギリの速度で動いてくれるかもしれません。
まずは記憶装置内のデータを全て消去して、次にOSの導入へと移ります。
さすがに最新のWindows11は荷が重いので、予め用意しておいたインストールDVDを使って、Windows10をインストールします。プロダクトキーはWindows7のもの(本体底面のシールに記載)を使えば、Windows10の方も認証が可能です(2021年11月現在)。
さて、無事にWindows10が起動しましたので、Windows Updateを行ったり、足りないドライバープログラムを追加するなどの必要な作業を行っていきます。
しかしここで気づいたのですが、非常に動きが遅い…。そしてちょっと強めの負荷が掛かると、フリーズしてほぼ動かなくなってしまいます。どうやら、内蔵ハードディスクがかなり劣化しており、予想以上に性能が著しく低下してしまっているようです。この状態では、素のままのWindows10でも負担が重すぎてまともに動作してくれません。
仮に、ディスクをもっと高速な「SSD」に交換したり、内蔵メモリを増設したりすれば、動作速度に関しては大幅に改善はするでしょうが、今回は「なるべくコストを掛けない」という方針ですので、別の手段を取ることにします。
さてそんなわけで、Windows10よりも負担の軽い、「Linux(リナックス)※」というOSを導入してみました。これでもキチンと動作して、インターネットを見たり、メールを送受信したり、ワープロソフトを使用したり、DVDを再生したり出来ます。
多少、動きがモタつく事がありますが、最新セキュリティの効いているノートパソコンとして実用に耐えるレベルにする事は出来たと思います。使い慣れているWindowsで無ければ嫌だ!というコダワリさえ無ければ、様々な用途に問題なく使えます。
※Linuxは無料で配布されているOSプログラムで、様々なパソコンやデジタル機器の基本プログラムとして使われています。基本のOS部分にさらに必要な機能などを選んでまとめた「セット」または「パック」とでも呼ぶべき「ディストリビューション」が複数存在しており、今回私が使ったLinuxディストリビューションは「Ubuntu(ウブントゥ)」というものです。
役場などでの使用を想定した機能最小モデルにつき、無線LANアダプターも内蔵していませんので、有線LANケーブルを挿してインターネットに接続しました。利便性を考えれば、安価なWi-Fiアダプタ(¥1,000弱)程度は買い足しても良いかもしれませんね。
素体がもう少し高性能なパソコンであれば、もう少し材料費などコストを掛けて手をかけてやって、へたな現役機に負けないくらいの速度にするところですが、今回のパソコンは何しろ元々が安価な低スペック(性能)モデルなので、まあ出来るのはこれぐらいでしょうね。本体の中古価格相場が5,000円以下なのに、それ以上の材料費を掛けるのは合理的ではないと思います。
とりあえず今回はここまでで任務完了です。子どもの勉強用、DVD再生用、ちょっとしたネットの調べもの用などなど、このパソコンをどう使うかは、元々の持ち主にお任せしたいと思います。