【対応事例】起動時にCPUファンエラー。メーカーにも有名修理店にも断られたパソコンへの対処

パソコンサポートせんだいみやぎ・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者
こんにちはパソコンサポート仙台宮城・店長の平山です。

持ち込みで診断ご依頼を受けた、2013年製の富士通製ノートPC。

以下の画像は、本日お持込みされた、富士通製ノートパソコンの症状です。起動時に「CPU Fan Error! Press F1 to Run SETUP」と表示され、キーボードの「F1」キーを押せば起動はするものの、異常があるならば修理したい、というご相談でした。

なお、すでにパソコンの製造元である富士通、および仙台市内の大通り沿いにある有名な修理店さんに修理の相談をされたそうですが「旧製品で交換部品(CPUファン)が無いため」という理由で対応を断られてしまったそうです。そういった事情をお電話で聞き、「そちらで診てもらえますか?」と言われたわけですが・・・「とにかく診てみますからお持ちください^^」と私から申し上げて、当店で診断する運びとなりました。

この商売を25年近くやっていて身にしみて知ったことですが、結局、どんなにカンタンな内容だと思われても、聞き取りの段階で自明の理だと思われても、やっぱり実機を診てみないと、確かなことは何も分からないんですよね。診もしないで話しだけで判断するのは、とてもおっかないので「とにかく見せてください!」と言うのが私のモットーであり、口癖です。

実際に起動して動作確認。すると…別に部品交換の必要なしかも?

パソコンの機種によっては、ファンエラーが出た段階で起動がストップされて画面が先に進まないものもあるのですが、幸い、このパソコンはF1キーさえ押せば起動することは可能です。とりあえずお客様にWindowsサインインして頂いて、デスクトップ画面を表示して頂き、フリーソフト「Core Temp」をインストールしてCPUの温度などを測ってみました。

すると、CPUの温度は50度台で安定しています。いくつか作業をして負荷を掛けても60度を超えません。このまま使用を続けてもとりあえず大丈夫そうな数値です。冷却装置であるCPUファンにエラーがあるはずなのに、なぜこんなことになるのかと言うと…いくつかの可能性が考えられます。例えば…

  • CPUを冷却させる為のファンが、実際には正しく作動しているが、接続ケーブルの異状か何かで、動作情報の信号が拾えていないだけ(つまり冷却には問題ない)
  • CPUファンの回転数が規定以下なためにエラーと判定されているが、実用上は問題ないくらい冷却はされている(つまり問題なし)
  • CPUファンは異常なのだが、CPUが省エネタイプのCeleronであるとか、筐体そのものの放熱性能だとか、冬季だとか、色々な要素が噛み合って十分冷却されている(まあ、問題なし)
  • ほか

CPUファンは、CPUの発熱を抑えるための部品ですから、実際に発熱が押さえられていて、ただ「誤ったエラー表示」が出ているだけなのであれば、(万全とは言えないまでも)このまま姑息的に、だましだまし、しばらく間に合わせで使う分には大丈夫ではないでしょうか、直そうと思えば直せるでしょうが、費用対効果の面であまりお勧めしません、とお客様へご意見しました。つまり今回は、修理の必要なし、経過観察のみ、ですね。

ただし今回インストールした「Core Temp」をパソコン使用時に常に起動して温度をモニターして頂き、高温になりすぎる場合はまたご相談頂くこととしました。

修理を見送った副次的な理由

  • 2013年製の Celeron搭載ノートパソコンの場合、中古市場では10,000円程度の価値まで落ちている
  • 他にもHDDがかなり劣化しており、また、その他の部品や個所で、すぐ別の問題が発生することは確実と思われる
  • お客様ご自身、あと数ヶ月だけ持たせて、買い換えるご予定である
  • 重要なデータはすでにバックアップして他の媒体に移してある

ヒアリングとご相談の中で判明した、これらの事柄を踏まえて、修理するべきかどうかを総合的にご判断頂きました。

やるべきことをやった上でご返却。そして・・・

また、富士通のヘルプページにも記載されている、パソコンの放電、BIOSの初期設定値のロードといった、問題が解決するかもしれない、いくつかのカンタンな対応作業は行いましたが、やはりCPUエラーは消えませんでした。

ファンそのものか、MBのコネクタなどに問題がある可能性が高いですね。修理屋さんとしてはちゃんとバラして調べたい欲求に駆られますが、先に述べたように、実際の動作は問題なく行えていますし、費用対効果の面で修理を強行するのはとても非効率だと思われましたので、今回はこれで終了となりました。修理または分解を伴う詳細な診断を行っていませんので、最低限の簡易診断料金のみ頂戴いたしました。

また、近いうちにパソコン買い替えをご検討中とのことでしたので、その際の重要な判断ポイントなどを詳しくアドバイス差し上げたところ、修理の可否よりもむしろ、そちらのほうが喜ばれたように思います。