ほぼ同一条件でWindows10,11,Linux(Ubuntu),Chrome OS Flexの起動速度を比較した結果

パソコンサポートせんだいみやぎ・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者
こんにちはパソコンサポート仙台宮城・店長の平山です。

ある古いノートパソコンに、4種類のOSを順番にインストールして”速さ”を比べてみました。

先日「Chrome OS Flex」が公開されたことから、既存の他現行OSとの動作速度の違いなどを調べておこうと思いまして、他のデスクワークの合間にちょっと実験がてらインストールと計測を行ってみました。意外と事前の予想と異なる部分もあり、個人的にそこそこ興味深い結果となりました。

実験に使用したパソコン

  • Toshiba dynabook T351/35 ER(2012年 春モデル)
  • CPU: Intel Core i3 2350M
  • 内蔵メモリ:8GB
  • ストレージ:SSD 256GB (換装済)
  • 他スペック詳細は省略

事務所にちょうどよく転がっていたノートパソコンを使用しました。そもそも実験の目的として「古いPCを再利用しようとした場合に、どのOSを使用すると良いか」という想定がありますので、この10年落ちのパソコンを使って、どれほど早く使えるかを検証していきたいと思います。なお、ストレージ(記憶装置)だけは、もともとの標準仕様のHDDではなく、高速なSSDに交換してあります。

インストールしたOS

カッコ内は各々のバージョンです。また、使用した各Windows は 64bit版のものです。

  • Windows 10 home (21H2)
  • Windows 11 home (21H2)
  • Ubuntu Desktop (20.04.3 LTS)
  • Google Chrome OS Flex(アーリーアクセス版)

起動時間の計測方法

  • 電源ボタンの押下と同時に計測をスタートし、各OSのデスクトップ画面が表示されると同時に最速で各OS標準のウェブブラウザを立上げ、何らかのオンラインコンテンツが表示された時点でストップウォッチを止める、という手段で計測しました。実際に「使えるようになるまで」の時間を想定しての方式となっています。
  • 計測は手動ですので、プラスマイナス1~2秒程度の誤差はあるかと思います。ご了承下さい。
  • ログイン時にパスワード等の入力が必要なものについては、入力欄が表示された時点で計測を一時停止し、入力終了と同時に計測再開しています。
  • Windows10,11に関しては「完全シャットダウン」させてから改めて起動しています。

4種OSの起動時間を計測した結果

起動の早かった順に並べます。個人的には、事前に漠然と考えていた順位やイメージよりも Windows11が高速だったこと、反対に Ubuntu が(予想より)遅かった点が印象的でした。

  1. Chrome OS Flex 24
  2. Windows 11 Home 約27
  3. Windows 10 Home 約32
  4. Ubuntu Desktop 約39

さて、上記のような結果とはいえ、これがそのまま「オススメ度」の順位になるわけではありません。

  • Chrome OS Flex は先行して配布される、いわゆる「アーリーアクセス版」につき、機能や安定性といった面で、不足やリスクがあります。
  • Windows 11 に関しましても、通常のインストールではなくシステムチェックを回避してインストールする非公式的な導入方法ですので、やはりリスクがあります。
  • Windows 10 及び 11に関しましては、完全シャットダウンでなく通常のシャットダウンからの復帰であれば、上記より2秒程度、起動時間が短縮されました。

こういった事情などを鑑みれば、(私の場合) 現時点では古いパソコンをネット専用機として再利用する際、 Windows 10 をインストールして使用するのが最も無難で、速さを求める場合は Chrome OS Flex の安定版が公開・配布されるのを待ってからそれを使用する、という方針が妥当かな、と個人的には考えています。

あるいは、用途によって、各種事務用ソフトやアプリや周辺機器を使用したい場合は安定のWindows、本当にネット利用だけなのであればChrome OS、サーバーやNASの自作といった特殊用途の場合には 自由度の高い Ubuntu、といったような棲み分けが良いのではないかと思います。