【対応例】キーボードのキー(ボタン)が1つだけ使えなくなったので別のキーを割り当てました。

「パソコンの削除キーが使えなくなった」というご相談への対応例

先日、宮城県黒川郡大和町のお客様から、こういったご相談を受けました。

  • ある時から「Back Space」だけが使えなくなり、入力した文字の削除などに非常に困っている。
  • 修理をお願いしたいが、可能かどうか。
  • キーボードの修理は、いくらかかるのか。

…こういった場合、故障の原因も、対応方法も、様々なパターンが考えられます。

とにかく、現物を拝見するお約束をし、お客様のもとへ伺いました。

まっとうに修理すると費用も時間もかかる!そこで…キーの配置換え!

さて現物を拝見すると、たしかに削除キーだけ反応が弱いです。完全に利かない、というわけでもないのですが、どうもキーを押し込んだ際の接触点に問題があるらしく、強く押し込んでも反応したり、しなかったりします。

さてこうなると、修理屋さんとしてはパソコンを分解してより状態を詳しく見たいところですが…ちょっと待った!

該当のパソコンは超薄型タイプでしたので、分解しての検査にも、修理自体にも、時間とお金が多めにかかります。(専用の工具や環境が必要で、要するにその場対応が難しくなるため)

それよりも、この場合、このケースなら…

あまり使っていない他のキーを、Back Spaceの代わりにしてしまいましょう。

幸い、水濡れなどによるキーボード全体の故障ではないようですので、当面はそれで使用上は問題がなさそうです。

それなら、パソコンをお預りしたり、パーツを取り寄せたりせず、この場で安価に解決可能です。

というわけで、お客様にも、

  • 「修理するとなると時間と費用が結構かかります(工房に持って帰って分解して、要見積りになります)」
  • それよりは、すぐ隣にある「Insert」などの用途の少ないキーを、第二のバックスペースキーにしてしまってはどうでしょうか
  • それなら、本日の出張対応料金だけで完了します。いかがでしょうか。

といった事をお伝えしました。

すると・・・以下のようなご質問がありました。

お客様「Insertのキーをつぶしてしまって大丈夫でしょうか」

私「失礼ですが、Insertのキーは何に使うキーかご存じですか」

お客様「そういえば使ったことないし、知らないですね」

私「それなら、大丈夫だと思いますよ。必要になったら、復活できますし、その時また考えましょう」

お客様「はい、そうですね(笑)ではお願いします」


といった具合にOKを頂きました。

(ちなみに、私はInsertキーの役割も、その使い道も有用性もわかっていますが、一般のお客様にとってあまり使われていない事を知っているので、このような対応をさせて頂きました。もし全国のInsertキー愛好家の皆さまにとってご不快な表現であった場合は、深くお詫びいたします。)

さて、許可も頂きましたので、さっそくキーの配置換えです。

これは、ネットで配布されている、そういったキーの配置替え機能をもつソフトウェアを使用します。

作業自体は、すぐ終わりました。

無事に文章の削除が出来るようになり、今回はこれで解決です。

やり取りの経緯や実施した作業内容、結果について、その場で報告書を作成し、お客様の確認サインを頂き、清算となりました。

ご要望に対して、より安価で効率的な解決方法を提案する場合があります。

この仕事をしていますと、よくあることなのですが、「お客様がご依頼されてきたこと」をそのまま実行せずに、まず「目的」を伺う事で、もっと効率的な解決方法が見つかることがあります。

いわゆる、ビジネス書などで引用されがちな「お客様はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しかったのだ」というケースですね。

当店での例としては、「パソコンを分解掃除してくれ!」→本当は掃除が目的ではなく、動作を快適にしたかった→パソコンが遅い原因を調べたら、原因は別にあった!…などのケースが類似例として挙げられますし、

まさに今回の「キーボード交換修理してくれ!」→キーボードを取り替えたいのではなく、削除がしたかった→使えないキーは1つだけなので、別のキーを割り当てるだけで良かった!…というケースも、これにあたるかと思います。

今後も当店では、AIなどには代替できない、こういったコミュニケーションとコンサルティングによるトラブルシューティングを重視してまいります。

お困りの際は、お気軽にお声がけください。