[経験者談]震災時のスマートフォンとITの活用7か条[東日本大震災・北海道胆振東部地震]

こんにちは、2度の大震災を経験した、 店長の平山です。

パソコンサポート・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者

今日は、東日本大震災、北海道胆振東部地震の両方を経験した人間として、大地震の発生直後・避難生活中・落ち着いた後、それぞれにおけるIT(パソコン、スマートフォン、インターネット)活用時のポイントを、7項目ほどご紹介します。

大地震の発生直後について

1、スマートフォンのメール、SNS等で緊急連絡を行う

東日本大震災や北海道胆振東部地震のような震度7クラスの災害直後であっても、携帯通信網については、しばらく生きている場合が多いです。大規模停電が起こっても、携帯電話各社の基地局の非常用電源が有効なうちは、4G回線などでインターネットが利用可能です。
とはいえ、通信可能なのはせいぜい数時間程度なので、可能な限りすみやかに、電子メールや各種SNS(LINE、Facebook、Twitter、等)を使い、

  • 現在の状況の確認(どの程度の災害なのか)
  • 家族の安否確認
  • 自分の安否情報の発信
  • 今後の連絡方法や集合場所の指定
  • 組織内で指示を出す立場の方なら、社員や構成員への急ぎの指示

…といった作業を行いましょう。通話が可能であれば、音声での連絡も家族などの相手に安心感を伝えるのに有効ではありますが、事務的な連絡事項については、できるだけ文字情報で伝達する方が、ネットワークの負担が軽く、受け取った側も保存と閲覧が容易です。

2、重要な情報はオフラインでも使えるよう端末に「保存」しておく

まず理想としては、災害が起こる「前」の平時のうちに、インターネットが切断されていても使えるタイプの地図アプリや、医療・健康・衛生・非常食・などなど災害時に役立つアプリを、スマートフォンにインストール(導入)しておくと良いです。(なお災害に備えて役立つアプリの紹介も後日やりたいと思っていますが、今回は割愛します)

そして、もし災害が起きてしまったら、取り急ぎ、役に立ちそうな情報を片っ端から検索して(近隣の避難場所、給水場所の情報、近隣の病院の場所、困ったときの緊急連絡先など)、スクリーンショットを撮りスマートフォンに「写真」として保存しておくことが重要です。そうすれば、後々インターネットが切断されてしまった後も、確認することができます。
会社や学校からのメールやSNS投稿なども、大事な内容の物はいちおうスクリーンショットにしておきましょう。もしそれがネットにつながっていないと確認できないタイプのSNSやメール設定(IMAP)だったりすると、後で確認ができなくなってしまうためです。

なお、スクリーンショットの撮影機能は、ほぼ全てのスマートフォンに備わっています。撮影方法は機種によって異なります。(例:多くのiPhone系スマートフォンの場合は電源ボタンとホームボタンを同時に押す、多くのAndroid系スマートフォンの場合は電源ボタンと音量ダウンボタンを同時に押す。ただし例外あり)

避難生活中について

3、スマートフォンの充電は使い切らない

スマートフォンのバッテリー残量が完全にゼロになると、モバイルバッテリー(携帯用充電器)等から充電できなくなる恐れがあります。
使用するスマートフォンや充電器の機種により、必ずそうなるわけではないのですが、念のため、必要な連絡や情報収集などがひと段落したら、電源を落としておきましょう。なお、完全にスマートフォンの電源を落としていてもバッテリー残量は少しずつ減っていきますので、1%だけ残しておけばいいや!と、ギリギリの寸止めにしてしまうと、やはり後で充電が難しくなってしまう場合があります。出来る限り余裕は残しておきましょう。

停電復旧後にコンセントから充電する場合や、使用するバッテリーの機種によっては大丈夫ですが、あとで乾電池式の充電器などを非常用として使用するつもりで用意しておいたのに、それがムダになってしまった…という例がありますので、注意が必要です。

4、節電のための設定や使い方を知っておく

たとえば、音量を低めにする、画面の明るさを抑えめにする、画面が暗くなるまでの時間を短めにする、完全に終了せずに待機状態になってしまっているアプリをこまめに完全終了する(タスクキル)、とりあえず使わない余計な機能(Wi-Fi、Bluetooth、モバイル通信、メールの自動チェック等)をオフにする、といった、余計な電力を使わないための措置を行って、できるだけ電源が長持ちするようにします。
手動で色々と調整する以外にも、スマートフォン自体の設定でも、「省電力モード」「節電モード」といった項目があり、まとめて設定を変更できる場合が多いです。

5、ノートパソコンを充電装置として活用する

スマートフォンや、USB接続式の小型家電は、USBケーブルでノートパソコンに繋げば、充電したり、使用することができます。ノートパソコンの内臓バッテリーが、そのまま非常用バッテリーとして使えるわけです。
ご家庭や会社のノートパソコンは、つけっぱなしにせず、電源を落として非常時に使えるよう保存しておきましょう。また、普段使っているスマートフォンの充電ケーブルについて、USBでの接続が可能なタイプかどうか確認しておきましょう。(コンセント接続部分と分離して、USB接続できるタイプのものが多いですが、中にはコンセント専用で分離できない物もありますので、注意が必要です)

災害がひと段落したら

6、落下・衝突したパソコンや記憶装置の動作確認は最大でも一回まで

停電が解消されましたら、各種電子機器の電源を入れて無事かどうか確認することと思いますが、パソコンや外付け式ハードディスクなど、中に重要な情報が入っているIT機器に関しましては、慎重に動作確認を行いましょう。

もし一度電源を入れて、正常に動作しない、中身が確認できない場合は、それ以上手を加えてはいけません。自分でどうにかできないかと、何度も何度も電源をオンオフしたり、色々な手を加えたり、分解してしまったりすればするほど、内部情報の復元が難しくなってしまいます。内部情報の復元率を上げるには、なるべく元の状態を維持したまま、早めにプロへ検査や修理や復旧依頼することが重要です。

また、一見まともに起動できた場合でも、落下や衝撃によるダメージはあるはずですので、取り急ぎ重要なデータの取り出し(バックアップ)や作業などを行なった後に、早めの検査とメンテをオススメします。

7、停電復旧後も、固定回線の回復に時間が掛かる場合あり。つなぎの通信路を確保する。

停電回復後も、いわゆる「固定回線」によるインターネット回線、通信回線はなかなか復旧しない、というケースが多々あります。近隣の光ファイバーケーブルやメタルケーブルが断線していたり、ケーブルテレビ網や、マンション内でのVDSL網を利用したインターネットサービスなどが復旧できていない場合です。

一般的に、電気、水道などの最優先のライフラインよりも、自宅や職場の固定ネット回線の復旧は、やや時間が掛かる傾向があります。

そういった場合は、一時的な代わりの通信経路を用意しましょう。モバイルルーターをレンタル業者から借りたり、スマートフォンの「テザリング」機能を使って、他のパソコンやタブレットでも携帯回線を共有できるようにしたり、携帯各社が用意したフリーWi-Fiスポットを活用するなど、状況に合わせてご検討下さい。

さいごに

震災時には「情報」が非常に重要となります。ここに書いたことが、今後の皆様の災害時の生活向上や方針決定の役に立てれば光栄です。

2018/09/11著 ※後日、内容を精査し修正する場合があります。