【分解修理】東芝 dynabook B65/J【SSD換装事例】
とても動きの遅くなったパソコンの部品を交換して、バリバリ高速化!しかもデータや環境はそのまま
何度かご紹介や解説の記事を書いていますが、パソコンの動作が遅くなった場合の原因のほとんどは「データの溜め過ぎ」ではありません。「ハードディスクという部品の経年劣化」が最も多い動作遅延の原因です。修理屋さんが言うのだから確かです。
今回の患者さん(パソコン)も、まさにハードディスクが劣化して、起動にかかる時間は5分以上、普段の操作時もしょっちゅう止まってしまうようになっていました。これでは仕事にも趣味にも使いづらいですね。使い方が悪いのかな?などと悩むより、明らかな原因が分かっているのだから、直してしまったほうが良いと思います。
…まあ、修理せずにパソコン自体を買い替えてしまうのも選択肢のうちではあるのですが、現在の機種で性能的には不満がなく、データの移し替えや周辺機器やネットやメールやアプリの再設定が面倒、といった場合には(多くの方にとってそうですが)、現在の機械を手直しして最新パソコン並の体感速度になるならそれがイチバン!とご判断される方が多いようです。
TOSHIBA製ノートパソコンのHDDをSSDに換装する分解修理手順・方法
また例によって、写真付きで分解の手順を掲載します。今回のノートパソコンは東芝の 「dynabook B65/J」です
まず作業台にノートパソコンを裏返しに置きます。作業台はすべりにくい素材が望ましいです。また、ネジが転がってもすぐ拾って回収できるような環境にしておきましょう。これはかなり重要です。
バッテリーを外し、次にネジを1つ回して中央のメモリーブロックのフタを開けます。フタの内側にさらにパソコンの底板を固定するネジが隠れています。これも含めて、見えているネジを全てドライバーで外していきます。
バッテリーの横についていた、写真最下部の4本のネジは他のものより長いです。区別して保管しましょう。
ネジを全て外し、光学ドライブも抜き取ったら、はじっこの方から底板を剥がしていきます。素手の作業はお勧めしません。薄いプラスチック製の道具を使い、すこしずつコジって「ツメ」を外していきましょう。(私はスクレーバーという道具を使っていますが、何かの会員カードなど固めのプラスチック製品なら何でも良いです。ただし金属製のものは傷を付ける恐れがあるので避けましょう)
この作業は非常に慎重に、ゆっくりと行います。万一、外し忘れたネジがある場合、力任せに底板を外そうとすると、その部分に強い力が掛かってしまい、取り返しの付かない壊れ方をしてしまう恐れがあります。
内部が露出しました。右上がハードディスクです。ぴったりとしたスペースに収まって固定されており、ネジ止めはされていません。
慎重に接続ケーブルを外します。慣れていない方が修理や分解に失敗する例としては、こういった接続部分(コネクタ)を曲げてしまったり、折ってしまったり、といった事故が多いです。とにかくゆっくり、丁寧に外します。
代わりに、交換前のハードディスクを完全クローンコピー※したSSDを取り付けました。あとはここまでの作業を逆にたどって、筐体を閉じていきます。(※OSの画面上でドラッグでファイルをコピーするのではなく、専用のソフトウェアや器具を使って”環境も含めた全ての状態”をコピーすることです。)
なお、データのクローンの方法は割愛します。軽く紹介するには分岐が多すぎ、解説する内容が多すぎるためです。パソコンの状態(起動できるかどうか、ハードディスクやOSの痛み具合)や、パーティションの方式(MBRかGPTか)、保存されているデータ容量などによって、取るべき手段が変わるので、それなりに多くの知識と経験と設備が必要です。(素人の方がたまたまフリーソフト等でやったら上手く行ったというケースも多々あるでしょうが、プロが手順として紹介するからには運任せとはいきません)
今回の記事は以上です。