パソコンの動作が遅くなった(よく止まる)、という症例が多発。とある特定メーカー製ハードディスクの不具合(劣化)が原因だった

パソコンサポート・パソコン修理・パソコントラブル対応のプロ業者
店長日記

最近、お客様から「パソコンの動作がとても遅い、重い」というご相談が増えており、当店でも対応に追われています。

とあるメーカー製のハードディスクを使用していたパソコンで、動作が遅くなる症状が多発。

それらのご相談について、いざ原因を調べてみますと、非常に高い確率でSeagate(シーゲート)社のハードディスクを使っていて、それが劣化しており、それによってパソコンの安定動作や速度に影響が出ていた、というケースが多々ありました。

こういった症例のパソコンの製造元は、DELL、NEC、Fujitsu、SONY など様々なメーカーで、OSについてもWindows7、8、10と統一されていませんでした。ただ共通して言えることは、それまで使用していた、Seagate社製の内臓HDDに問題が出てしまった、ということです。当店でハードディスク検査を行って異常と診断し、HDD部品交換とデータ移行を施し、お客様にご返却した後は問題なく稼働しています。

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こういった症状の場合、パソコンを分解し、古いハードディスクを取り外し、中身のデータを新しいものに移し替え、元の場所に取り付けます。また、パソコンの機種やOS、取り付けたHDDの容量や種類によって、取り付け後に調整が必要です。

元々、ハードディスクは使用時間や経過年数によって劣化しやすいパーツです。今回こうして症例が重なったのも、「たまたま」かもしれません。当店のような、イチ地方のパソコン修理業者に寄せられた案件の数はたかが知れていますので、統計的な説得力もないかもしれません。ともかく、この記事は「2016年12月、当店に寄せられたご依頼の中で、こういう傾向があった」という記録です。参考にするしないは、読者の皆様に委ねたいと思います。

「Windows10にしてから遅くなった」という感想をお持ちの方が多数。その理由は…

このご相談の際、多くの方が口にするのが「Windows10にアップグレードしてからおかしくなった」という訴えです。

その場合、元々がWindows7、または8などの旧OSを搭載していたパソコンですので、多少なりと経年劣化が進んでいたものと考えられ、そこに大量のデータの書き換え作業(Windows10のアップグレード)という負荷をかけた結果、より劣化が進んで、顕著な症状が出るようになったのではないか、と私は考えています。(旧Windows製品と、Window10のプログラムそのものの負荷の違い、動作の重さや、必要とするスペックの違いなども原因の1つですが、それだけでは説明がつかないほどの症状の悪化が見られる場合があります)

皆さんのパソコンや外付けHDDの内臓部品は、どのメーカーが製造元なのか?

ふつう、内臓ハードディスクの部品は、NECや富士通などのパソコンメーカーが自ら製造しているわけではありません。どのパソコンメーカーも、Seagate、Westandigital、Toshiba、HGST などの大手ハードディスクメーカーから調達しています。東芝製パソコンなのに、内臓HDDはTOSHIBA製じゃない、ということも珍しくありません。また、パソコン購入時に、ユーザーが内臓ハードディスクの製造元を事前に知ることは、普通、できません。

これはパソコン本体だけに限らず、外付け式のハードディスク製品などについても同様です。BUFFALOやアイ・オー・データといったメーカーのパッケージで販売されている各種外付けハードディスク製品も、中身のディスク本体については、上記の大手ハードディスクメーカーのいずれかのものを採用しており、ユーザーが購入前に製造元を知ることは困難です。

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それぞれの商品について、実際どこのメーカーのハードディスクを内蔵しているかは、分解してみれば分かります。分解せずに調べる方法は後述します。

パソコンや外付けハードディスクについて、HDDの製造元や状態を知っておくと、後々の備えになる。

改めて言うまでもありませんが、皆さんのパソコンや外付けハードディスク内のデータは、とても重要なものです。家族の貴重な写真であったり、仕事上の書類であったり、もう手に入らないCDから取り込んだ音楽であったり、重要なパスワードが記載されたメールであったり、多大な手間をかけて入力した住所録であったり…

ハードディスクが故障すると、それらのデータが、すべて喪失してしまう恐れがあります。そうならないために、お使いになっているハードディスクがどれほど劣化しているか、これまでの累計で何時間ほど稼働しているのか、製造元はどこか、等々の情報を、一度はご確認されてみてはいかがでしょうか。

ハードディスクには、そういった一通りの情報(S.M.A.R.T.情報)が記録されており、フリー(無料)ソフトで確認できる。

たとえば、「CrystalDiskInfo」というフリーソフトがあります。これをパソコンにインストール(導入)して起動すると、現在そのパソコンに接続されているハードディスクの健康状態や、累計稼働時間などを知ることができます。パソコンをわざわざ分解しなくとも、ソフトで表示された型番から、製造元を調べることもできます。

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「CrystakDiskInfo」をインストール後、アイコンをダブルクリックすると、すぐに結果が表示されます。

※「CrystalDiskInfo」の導入のしかた、使い方、詳しい画面の見方などは、今回割愛します。近辺にお住いの方は、ご依頼頂ければ、出張指導いたします(有料)

あれ?動きが怪しいな?と思ったら、お早めに相談を。症状が重くなってからでは、費用もかさみますし、手遅れ(復旧不能)になることもあります。

ハードディスクが完全に故障する前であれば、データのコピーや救出、交換作業そのもの、これまでの環境の復元などは比較的簡単に行えます。「ちょっと前より起動や動作が遅くなったな」「マウスポインタが時々ひっかかるような動きをする」といった、ちょっとした自覚症状が出始めたら、パソコンサポートまでご相談ください。

ハードディスクの劣化が進み、完全に故障してしまうと、話は少しややこしくなります。スイッチを入れてもパソコンが起動しなくなったり、実際の使用に支障がでますし、データや環境を復元するにも、費用や期間が多くかかってしまいます。「もっとおかしくなってからでいいや」と軽くみていると、取り返しがつかないこともありますので、くれぐれもご注意ください。