【対応事例】LINEアカウント乗っ取り被害対応【仙台市泉区】
最近増加しています。LINEの乗っ取りによる詐欺被害など。
昨今の不安な世情を反映するように、ご自宅に居る方を狙ったネットを使った詐欺が全国的に増えています。もちろん宮城県も例外ではありません。お客様の中には「(アメリカや東京と違って)こんな田舎にはサイバー攻撃なんて来ない」「ITに詳しくない高齢者だから、狙われたりしない」と仰る方も、しばしばいらっしゃいます(なお私自身は宮城が田舎だとは思っていません)。
が、悪者からすれば、田舎かどうかや、ITに詳しいかどうかは全く関係がありません。むしろ警戒心が薄い方は率先して狙われやすいと思われます。くれぐれも「自分には関係ない」と思わず、十分にご注意ください。
LINEのアカウント(名義)を乗っ取られてしまうと、悪者が貴方の名前で犯罪を行います。LINEで繋がった知り合い全員に迷惑が掛かる可能性があります。スタッフの経験上「わたしのスマートフォンは大したことに使っていないから(乗っ取られても被害なんて大したことない)」と仰られる方も多いのですが、貴方の名前で知り合いに金銭を要求したり、そのために警察に通報されたりといった可能性を考えれば、乗っ取り被害について軽く見ることは出来ないのではないでしょうか。
仙台市泉区で実際に盗まれてしまった方のヘルプ対応
先日、仙台市泉区のS様宅で、LINEアカウントを乗っ取られてしまった方の被害対応を行ってまいりました。その内容をかいつまんでご紹介します。
実際に発生してしまった被害について
- ある日から、ご自分のスマートフォンでLINEが使えなくなってしまいました。復旧の手続きも出来なくなりました。
- 勝手に何人かの知り合いに「指定の方法で10万円分の金券(アップルカード)を送れ」というトークメッセージが送られてしまいました。S様の名前を使ってはいますが、その金銭はS様に払われるのではなく、乗っ取り犯に渡るようになっています。が、トークメッセージを受け取った親類縁者や親友の方々は、いつもやり取りしているS様からのお願いに見えるので、そのまま指示に従って払ってしまう恐れがありました。
ごめんなさい、どうしても急な事で、コンビニで10万円分の券を買って中身を写真で撮って送ってくれない?数日後にすぐ返しますから。
- これをおかしいと思ったお知り合いからの電話連絡で事態が発覚し、以前から何度かトラブル対応させて頂いている当店へ、ご相談が寄せられました。
今回使われた乗っ取りの手口
- まずS様の他の知り合いの方が先に乗っ取り被害に遭っており、その方からのトークメッセージで、アカウントを明け渡す作業を行うよう、誘導されたようです。
お久しぶりです。いまお忙しいですか?
お手すきの時で良いので、〇〇して下さい、すぐ終わります
なにしろ、以前からの知り合いのお願いですし、頼み方も丁寧だったので、言うことを聞いてしまったんですね。怪しい相手からのお願いならもちろん断ったのでしょうが、親しい相手からのお願いなら、つい言われるままに1~2個の作業ぐらい、よく意味が分からないままやってしまう事もあるわけです。これが、この詐欺が流行している理由です。
今回実施したヘルプ対応の内容
当店で行った対応は、以下の通りです。残念ながら「すごいテクニックで全てすぐ元通り」とは行きません。出来ることを確実にやるしかありません。
- まずLINEにログイン出来るかどうか、複数の方法で確認しました。(電話番号、以前登録したアドレスやパスワード、アカウント引き継ぎ手続き等)なぜなら、ログインさえできれば、パスワード変更を行うことで、乗っ取り犯がそれ以上作業を出来ないように阻止できますし、お知り合いへのフォローもしやすくなるからです。
- 残念ながら、すでに乗っ取り犯によって完全に締め出されている事が分かりましたので、別のパソコンのインターネットブラウザーを使い、LINEの公式窓口にて「アカウントを盗まれてしまった」という内容の通報作業を代行しました。あとは、LINE本部の対応を待つことになります。
- LINEで繋がったお知り合いへ、ご本人から「LINEを乗っ取られたので、お金を払わないで、信じないで」という内容の電話連絡をお願いしました。
- 問題のスマートフォンの電話番号などを使っての新規登録は行わず、LINE本部からの返答が来るまでお待ち頂くようにお願いしました。
- その後1~2時間程度で、LINE本部より無事に対象のアカウントが停止されたという連絡(メール)がありました。
乗っ取り被害に遭わないためには
昔から、パソコンの「コンピュータウィルス被害に遭わない」「詐欺に引掛からないため」の対策がいくつかありますが、LINEなどのSNS乗っ取り詐欺も、対策はそれらとほぼ共通しています。
- たとえ知り合いからの要請でも、よく分からない作業はしない。
- 外部のウェブサイトなどへのリンクに誘導されても、タップ/クリックしない。
- 金銭や、パソコンやスマートフォンの設定に関わるような事柄は、すぐ返事をせず、時間を置いてよく考えてから、あるいは詳しい誰かに相談してから、あるいはLINEを使わずに、相手に直接会ったり自宅の電話へ掛けるなど別の方法で確認を取ってからにする。
被害に遭われた際の協力体制について
こういった乗っ取り被害に遭った際、誰が悪いのかと言えば、もちろん乗っ取り犯です。
被害に遭われたご本人を、自分自身や家族で責めてしまう場合が多いのですが、責めるのではなく、私は協力して解決するようにすることが重要だと考えます。責めてしまうと、萎縮してしまったり、他の大事なことも隠してしまったり、各方面への連絡も滞ってしまったり、問題解決にとってはあまりいい状態にはなりにくいです。